健康になるために唐辛子を毎日お米と同じくらい食べ続けたとして、もしかしたら健康に近づく人がいるかもしれません。

もし居たとしたら、その人は間違いなく病だったということです。唐辛子の効果、効能、薬効によってその病は治癒の方向に向かい、健康状態が改善したと考えられます。  しかし、それにしたって限度があります。 体調が良くなったからといってその後も唐辛子を摂り続けているとどうなるでしょう? これはもう絶対に体を壊します。健康食品やトレーニング、薬…。どれも摂りすぎ、行い過ぎは必ず体を壊します。 健康状態がちょうどよくなったところで止めないと健康的と思っている事を行うことによって新たな病を作るのです。

スポーツ選手が意外と短命だという話もあります。若い頃はトレーニングによって維持できていた体がある時を堺にオーバートレーニングとなり健康を知らず知らずのうちに害すのです。体力があるうちはそれに気付くことはありません。現役なら成績を優先するのでなおさら自分の体の使用期限に気を使ったりはしません。 力士はその最たるものでしょう。勝つため、体重を増やすために過剰に食べ、運動し、寝る。若い頃は体に無理が効くのでこれらは大きな体が作られることとなって効果が反映されますが、そのために使用されたエネルギー。体を大きくするために使われる生命力は無駄遣いされて病気や怪我を招き短命となるのでしょう。本来、よく食べ、よく運動し、よく寝るというのは健康維持の基本みたいなものなのにそれらを行いすぎる事によって逆に害が出る。 その害は自覚のないままどんどん進行して気がつくと取り返しが付かない状態になっている。

これがそのまま健康食品やトレーニングなどの皆さんが日常的に行う健康志向の取り組みにあてはまります。体にいいことと思ってやりすぎるとろくな事がありません。程度と止め時を見極め、その時を堺にして別の健康法を行うのが大切です。 

もし、一生同じ健康法を続けている人が健康長寿でいたらそれはその人のライフスタイルに合っているのです。その人の生活、衣食住などと行い続けている健康法がお互いに「中庸」になるようにうまくバランスが取れているからです。なのでその人にとっては最高の健康法かもしれませんが貴方にとっての最高とは限りませんし、万人向けでもありません。

こういった考え方は西洋医学には乏しいといえます。少数の例や特殊な例で健康効果があると栄養が○○だから… 血糖を上げないから… 運動の一日目安量が○○… などと尤もらしい理由を後づけして画一的に管理する。このようになりやすいのが西洋的なものの見方の特徴でもあります。これらは人を全て同じものと考えていて、貴方も私も人が勝手に決めた健康基準の範囲内に入れれば健康。外れれば不健康という考え方です。 この方法では正直言って強い効果はナカナカ出ません。テレビなどでドンドン新しい健康法が出てきても、その健康法がどんなに科学的に正しくても大半の人達がその効果を実感できないのです。健康を取り戻す方法としては大抵の場合、無難すぎるんですね。科学は万能ではありませんから(笑)

 

つづく…